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【特集・コロナ危機と大学】
学生、教職員を守る保健管理センターの役割/西村 知泰

2020/08/06

保健管理センター(矢上)
  • 西村 知泰(にしむら ともやす)

    慶應義塾大学保健管理センター専任講師

慶應義塾大学保健管理センターは、本学の学生・教職員の健康管理を担当する部署であり、さらに健康の保持増進のための医学研究を行う研究所です。

学校は学生・教職員が集団生活を営む場であり、感染症が発生した場合は感染拡大を起こしやすいです。また、病院は多くの高齢者や免疫能が低下した患者が利用する場であり、感染症が発生した場合は感染の拡大ならびに重症化を来しやすいです。本学は教育機関であり、かつ大学病院を有するため、学生・教職員の感染症対策は重要です。保健管理センターは、中国武漢市を中心に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始めた2020年1月から、本学COVID-19対策本部、大学病院COVID-19対策本部と相談しながら、本学のCOVID-19対策を講じてきました。

キャンパス内・病院内で、COVID-19の集団感染を起こさないという基本方針の下、保健管理センターでは、学生・教職員の登校・就業制限の厳格化、学生・教職員の濃厚接触者や有症状者等の把握と健康相談を実施しています。登校・就業制限として、原則、COVID-19患者だけでなく、新型コロナウイルスの感染リスクが高い学生・教職員(濃厚接触者等)やCOVID-19の可能性が否定出来ない学生・教職員の有症状者に関しては、登校・就業を禁止しています。また、これらに該当する学生・教職員は保健管理センターに報告してもらい、登校・就業可能な状況になるまで、健康状態のチェック、健康相談を実施しています。

本学は国内のCOVID-19感染拡大のため、一時、学内施設での教育研究活動を中止しましたが、感染状況をふまえ、6月8日から、学内施設での教育研究活動を段階的に再開しました。再開前、COVID-19の感染予防に求められる行動を解説した教育動画を作成し、学生・教職員に視聴してもらうことで、感染予防の徹底を図りました。

東京都では、7月に入り、ほぼ毎日、100人以上の新規感染者が報告されており、依然、COVID-19の流行を認めています。そのような状況下でも、本学学生・教職員が教育・研究活動を進められるよう、そして大学病院の診療機能を維持できるよう、保健管理センターは、今後も引き続き、本学学生・教職員のCOVID-19対策を講じてまいります。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

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