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【特集:サステナブルな消費】
ライフデザインにおける価値観の変容と消費スタイル──サステナブルな消費に向けて

2019/08/05

ライフデザイン3.0時代 ──〝勝ち組競争〟から〝価値組み共創〟へ

ライフデザイン1.0時代が「享受する」時代である一方で、環境への危機感や大量消費への疑問が形成された時代。ライフデザイン2.0時代が制約の大きい経済環境や社会課題の増幅による外発的動機により、今あるリソースを効率的に循環させることで持続性を担保しようとした時代。

そうだとすれば、ライフデザイン3.0時代はSDGsで共有されるビジョンに沿い、「こんな未来を描きたい」という内発的動機による主体的行動が求められる時代である。ありたい未来を描き、そのために今何をしなければならないのかをバックキャストすることで、自発的行動・主体的関与のマインドセットをしていく時代となることが期待される。実際に、世界各地でこうした動きが活発になっている。

市場やリソースを奪い合う社会、いわゆる「勝ち組競争」に限界があることは、もはや周知の事実である。勝ち(Win)を得た者が組をつくる(Classify)競争(Competition)ではなく、価値(Value)を持ち寄ってそれらを組み合わせる(Connect)ような共創(Co-Creation)を目指す「価値組み共創」が、ライフデザイン3.0時代の豊かさを形成すると言えよう。個々のリソースを組み合わせて新たな価値や市場を創ることで、奪い合う社会構造から、持続的かつ成長の期待できる社会を創造するのである。

安心・安全な消費社会は誰もが望むものである。しかしそれは空から降ってくるものではなく、自らの積極的な関与によって形成されるものである。自分の行動によって発生しうる影響や可能性を想像し、ありたい未来のビジョンを共有して「つながる」ことで、持続的な未来を共に創造する。一人でも多くの消費者がこのことを自覚することで、サステナブルな消費社会は実現に向かうと考える。

〈参考文献〉
*『人生100年時代のライフデザイン 団塊ジュニア世代から読み解く日本の未来』(宮木由貴子・的場康子・水野映子・北村安樹子、2017、東洋経済新報社)
*「ワタシから始めるオープンイノベーション:価値デザイン社会実現に資する実質的なオープンイノベーションの実施に関するタスクフォース報告書」(内閣府知的財産戦略本部、2019)

〈注〉
*図表は、2019年10月に東洋経済新報社より発行予定の『人生100年時代の幸せ戦略』(宮木由貴子、的場康子、稲垣円)に掲載予定の図表より作成した。ライフデザイン3.0の詳細については、本書に詳しいので、ご覧いただけたら幸いである。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

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