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【特集:NPOの20年】
NPOの人材育成

2018/11/05

人生100年時代におけるNPOへの関わり方

人生100年時代。社会に出て、1つの組織で生涯の仕事人生を終える人は、今後めっきり減るだろう。実際、さまざまな世代にとって、人生の節目節目で、NPOと関わることが身近になりつつある。企業や行政の第一線で戦ってきた人たちが、NPOで働き、また別のセクターに移ったり、元の職場に戻ったり、あるいは同時並行的に、複数のセクターで仕事をするようになってきた。

彼らは、企業や自治体などで働きながら、週末や夜間にNPOで活動したり、副業したり、退職後に新たに起業したり、ボランティアや役員をしたり、などと自らの価値観や信念を表現し、専門性を活かす場としてNPOを捉えている。

このように、自身のキャリアステージ、ライフステージに合わせて、より柔軟な働き方・生き方が選択しやすくなることが求められる。そうすれば、NPO人材=有給スタッフだけではなく、ボランティア、寄付者、会員、理事や監事、唱道者など、多様な形態で多様な経験を積んできた豊富な人材がNPOに関わり、成長し、人を変え続けていくことができるであろう。

そして、NPOの人材育成が、ひいては社会を担う人材育成にもつながる。ドラッカーが提唱する「市民性創造」機関・「人間性」育成機関としてのNPOの役割にも大いに期待したい。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

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