【三人閑談】
ピストバイクで駆け抜ける
2023/03/24
自転車に囲まれた生活空間
中島 小川さんは、どれくらい自転車を持っていらっしゃるのですか?
小川 たくさんありますよ。マウンテンバイク1台、シクロクロスバイクが2台。ロードバイクが3台と、もう手放してしまったのですが、先日までTT(タイム・トライアル)バイクが1台ありました(笑)。
ピスト ちょっと待って! それ全部家に置いているんですか?
小川 半分は実家に置かせてもらっていますが、今は1LDKの自宅に4台あります。
中島 ご家族も乗るのですか?
小川 夫との2人暮らしですが、彼のサイクリング用ロードバイクが1台あります。
中島 ということは合計5台?
小川 そうですね。
ピスト ちょっと信じられない。
小川 ウォークインクローゼットの半分に2台入れて、それから突っ張り棒で2台、スマートローラー1台。5台と同居しています。夫は早く処分してソファを置きたいと言っています(笑)。
中島 理解ある旦那さんですね。
小川 本当に。無理やり理解してもらっています。
自転車の画像で心を静める
ピスト でも、小川さんにとってはある意味、商売道具でもありますよね。僕も自転車に純粋な愛情があるので、自転車を見たら気持ちが落ち着いたり、興奮したり、ときめいたりします。普段からネットでかっこいい自転車の画像を見つけると、保存して時々見ています。
小川 ええ!? それはすごい。
ピスト 嫌なことがあったらその画像を見て気分転換していますし、街でも止まっている自転車をずっと眺めて歩きます。このフレームにこのハンドルを合わせるんだーとか。
中島 自転車の画像で心を落ち着かせるって相当ですね。
小川 ご自分の自転車が一番好きというわけではないんですか?
ピスト 写真を集めるのは純粋に憧れです。車好きの人やバイク好きの人がポルシェやハーレーをかっこいいなと思う感覚と同じです。ブランドに対する憧れも純粋にありますよ。ロードバイクなら「デローザ」。こんなカラーも出ているんだ! とか。
中島 でも他の自転車を見てかっこいいなと感じる気持ちはわかります。東京と大阪でそれぞれ年に一度、「サイクルモード」というスポーツバイクの大きい展示イベントがありますが、そこで見るディスプレイはやっぱりかっこいいんですよね。店頭で見るのとは違い照明やディスプレイもキマっていて、あれを見ていると憧れが芽生えます。
ピスト 僕はそれが10年ほど前に一度ピークに達して、原宿の自転車ビルダーと呼ばれる職人を養成する専門学校に入学しようか迷いました。資料を取り寄せてオープンキャンパスまで参加しました。
中島 その学校は知っています。国産メーカーの「ケルビム」の方がゲスト講師できていたんですよね。
ピスト そうそう。ケルビムもクロモリにこだわったフレームをつくることで知られていますが、100万円クラスのロードバイクをそこでつくるのもかっこいいなと憧れました。
小川 2人とも自転車愛がすごい。
ピスト 小川さんは、普段乗っているクロスバイクを買い替えたいと思ったりしませんか。
小川 全然しないです。ママチャリ感覚ですね。しかもママチャリよりも長い距離を走れるので、買い物も移動もすべてこの1台です。
ピスト 是非日常使いにピストバイクをお薦めしたいです。ピストバイクの最大の売りはやっぱり頑丈さなのです。追求し始めるとキリがないのですが、いろいろな奥深さがあるのも魅力の1つですよね。
(2023年1月16日、三田キャンパスにて収録)
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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