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【三人閑談】
世界に広がるBENTO

2016/12/01

体に良くてエコ

加藤 お弁当のいいところはたくさんありますが、もちろん安上がりというのと合わせて、健康にいいというところですね。外食をするとどうしても塩分が多かったり、添加物なども気になる。その意味でもお弁当はすごく体にいいなと思います。

ベルトラン もちろんヘルシーだし、あと社会のためにすごくいいと思います。素材をゼロから買って、自分で弁当を作るってとてもエコなことだと思います。農業にとってもいいことです。全部コンビニの弁当になると、あまりエコじゃない。プラスチックのゴミも出るし。

前田 いま学校で「食育」がよく言われます。「食は文化なり」ですよね。料理だけでなく、その素材である野菜は、米はどうやって作られているのか、子供たちが学んでいます。

ベルトラン ええ、フランスで「la Semaine du Goût」(味覚の1週間)というイベントがあります。日本でもやるようになりましたが、全国の学校で1週間、給食が特別なメニューになります。有名シェフが考えたメニューで、近くの農家の野菜を使います。授業でも、この食材はこうしてできているとか、給食に普通出ない食材の味を子供に教えています。

前田 それはいいですね。

ベルトラン そういうときに、お弁当のコンテストもやります。お弁当は、そういう文化とすごく合うと思いますね。

前田 ただお弁当文化を紹介するだけではなくて、日本の食文化全般を紹介していただいているというのはうれしいかぎりですね。

ベルトラン もちろん弁当箱を販売していますが、たまに取材で「弁当箱、大好きですか」って聞かれたりするんです。そうでもない(笑)。やはり食べ物が好きなんです。そして、日本人にも、もっと弁当箱を使ってほしいし、料理を作ることを大事にしてほしいと思っています。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

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