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清水 真弓:トロンボーン奏者としてドイツで活躍
2021/04/15
「好きなこと」を見つけた塾生時代
──SFCの中等部に入ってから10年以上慶應にいたわけですが、振り返ってみてどうですか。
清水 よかったのは自分の職業につながったことです。中高時代はとにかく部活を頑張れた。受験勉強に追われる必要がなかったですし、帰国子女が多い学校で、思い返すと中高の時の授業は結構いいものが多かったと思います。地学のテストでは、紙1枚渡されて、地震のメカニズムを書けという1問だけだったりしました。自由で、暗記だけではなく本質を学ぶところなどはすごくいい中高だったと思います。
ただ、SFC中高の中でも私は変わっていたかもしれないですね。SFCの子たちはマイペースで競争心があまりない。
でも、私は競争心が強かったので、早いうちからコンクールに出ると言って、両親もあきれていたんです。でも、大学時代はやはり生ぬるいところがあったと思っています。ウィーンに来てからは本当に必死でした。フライブルク音大には23歳で人より遅れて入っているし、もうあせるわけです。今、ライプツィヒ音大で教えているんですが、ドイツ人ものんびりしている人が多く、アビトゥーア(中等教育)を終わって、特に理由もなく22で音大に来たとかいう人がたまにいてあきれることがありますが、自分の大学時代を思い返すと、私はもっと甘ったれていたなと思うんです。
でも、慶應を振り返ってどうだったかということで言うと、すごくよかったと思います。
──後輩たちにどのようなことを伝えたいですか?
清水 やはり好きなことを見つけることでしょうか。遊んでばかりではだめだけど、よい意味での遊びは大切ですね。私みたいにたまたまそれが職業につながっていくこともあるし。学校の課題も最低限きちんとやることは必要ですが、それとは別の自分の好きなことを見つけられたらいいのではないかと思います。
──清水君は好きなことを頑張れてよかったね。
清水 いやいや、いまだにいろいろ迷いつつも進んでいます。
──今日は有り難うございました。これからの活躍、期待しています。

(2021年2月12日、オンラインにより収録)
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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