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【KEIO Report】蹴球部創部125周年記念式典を開催
2025/02/18

2024年、1899(明治32)年に創部された慶應義塾體育會蹴球部は創部125周年を迎えました。これを記念して、昨11月24日に日吉の藤原洋記念ホールにて「慶應義塾體育會蹴球部創部125周年記念式典」、その後125周年に導いてくださった方々への感謝の念を込めて、学生食堂にて「慶應義塾體育會蹴球部創部125周年感謝の集い」を行いました。
当日は慶應義塾から伊藤塾長、山内常任理事、岡田常任理事、小茂鳥體育會理事、大古殿體育會主事をお迎えし、また、日本ラグビーフットボール協会、関東ラグビーフットボール協会、神奈川県ラグビーフットボール協会の各幹部、古くから切磋琢磨してきた対戦校のOB会幹部、對馬慶應義塾大学體育會会長をはじめ各體育會OB会幹部など多数の御来賓に出席頂き、蹴球部のファン組織であるKRC会員、OB、OG組織である黒黄会員、一貫教育校の幹部陣、学生、父母等、総勢約700名が集い盛大に執り行われました。
司会は塾蹴球部OBであるNHKアナウンサーの勝呂氏が務めました。
黒黄会川上会長の開会挨拶に続き、伊藤塾長からは蹴球部の歴史からご自身のラグビー体験も踏まえた温かいご祝辞、土田日本ラグビーフットボール協会会長(ビデオメッセージ)からは慶應ラグビーへの期待のこもったメッセージ、早稲田ラグビー倶楽部寺林会長からは長年のライバル校としての熱いメッセージ、ご祝辞を頂きました。
1899年に慶應義塾の英語講師だったエドワード・ブラムウェル・クラーク氏とイギリスに留学経験のあった田中銀之助氏が、慶應義塾の学生たちにラグビーを紹介し、慶應義塾に蹴球部が創部されたことが、日本のラグビーの源流と言われております。
今回、創部125周年式典の企画にあたり、日本ラグビーのルーツ校として125周年を単なる式典、祝賀会とすることなく、謙虚に日本ラグビー、とりわけ大学ラグビーの価値を再考し、今後のラグビーの発展を考える契機になり、一定の提言ができれば幸いと考え、シンポジウムを企画致しました。
そこで各方面でご活躍される識者の方々にご協力頂き、(ラグビー経験者の企業経営者、父母の企業経営者、ラグビー日本代表監督やラグビー協会会長、日本代表のメンタルコーチ、スポーツ心理学者、スポーツジャーナリスト、ラグビージャーナリストなど)皆様方から幅広い視点でラグビーに対するご意見を頂き、今後のラグビーのあるべき姿、大学ラグビーの目指す姿、課題は何かを提言するオープニングムービーを作成致しました。
監修は蹴球部OBであり、1986年の慶應義塾大学蹴球部唯一のラグビー日本一のメンバーでもあるTBSディレクターの福澤氏にお願い致しました。
それを受けて「これからの大学ラグビーの活性化に向けて~各校が果たすべき大学ラグビーへの貢献とは~」というシンポジウムを開催致しました。シンポジウムには岩出帝京大学前監督、相良早稲田大学前監督、田中明治大学前監督、慶應からは日本代表チームディレクター補佐の廣瀬氏らにご出席頂き、スポーツライターの生島氏をファシリテーターに様々な議論がなされました。
その中では、大学ラグビーの更なる発展こそが日本ラグビーの発展に不可欠、競技の魅力、それぞれのチームの色を更に反映させることが大学ラグビーの魅力を高める、将来に向けて危機感をもって行動すべき、ラグビーを通じて人間的成長を促す教育的価値に加え、現役選手、OB、大学を巻き込んで、色々な工夫を通じてラグビーを知ってもらい、新たなファン層の創出を目指すべき、等の問題提起がなされました。
式典の後半には塾ワグネル・ソサイエティ・オーケストラと塾の卒業生でもある関西フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、藤岡幸夫氏による「威風堂々」の記念演奏が行われ、その荘厳な雰囲気に包まれる中で蹴球部青貫監督からの挨拶にて感謝の思いが示されました。最後は再びワグネル・ソサイエティ・オーケストラによる蹴球部部歌である「白凱々」が演奏されました。冒頭の長いキャプテンソロは見事なトランペット演奏で再現され、初めて見るオーケストラによる演奏に感涙しているOBも多数見受けられました。
会場を食堂へ移しての「慶應義塾體育會蹴球部創部125周年感謝の集い」は塾蹴球部OBの福井テレビアナウンサーの佐々木氏の進行で進められました。牛場蹴球部部長の開会の挨拶に始まり、御来賓を代表して明治大学ラグビー部OB・OG倶楽部西妻会長よりお話を頂戴いたしました。
関東ラグビーフットボール協会海老原会長の迫力あるご挨拶、乾杯後は旧交を温めるもの、現役と交流を深めるもの、ライバル他校のOBと当時に思いをはせるものなど、父母、OBで交流を深めたり、各所で賑々しく会は進みました。
慶應義塾應援指導部、チアによる特別応援メドレーでは「若き血」を老若男女入り乱れ、また、他校OBも肩を組んで熱唱、皆がひとつにつながり、感動的な一幕でした。
式典は皆さま方のご協力のもと盛大に幕を閉じましたが、式典を通じて、この125周年を次の150周年に繋げていくべく、塾蹴球部として何をすべきか、大学ラグビー発展のために何をしなければならないかを真剣に考えねばならない、といった大きな課題を受け取った会でもありました。
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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中野 忠幸(なかの ただゆき)