【新 慶應義塾豆百科】
慶應義塾大学病院の患者サポート
2025/09/26

慶應義塾大学病院(以下当院という)では、患者さんに安心して治療を受けていただくために、各部署で様々なサポートを行っています。その中でも、患者総合相談部が主体となって行っているサポートの一部をご紹介いたします。
当院には総合相談窓口が設置されており、患者総合相談部職員が患者さんの声を聞いて相談を受けています。多様な声から病院運営で改善できるものを選択し取り組んでいます。
一番新しいサポートは2025年3月から始めたコミュニケーションサポート「きこえカード」です。耳が聞こえづらい患者さんが受付や診察の時に困っている、大きな声で会話するため高齢の患者さんを職員が怒鳴っているように見える、とのご意見から取り組みを始めました。患者さんが「きこえカード」を当院スタッフに見せると筆談や文字おこしアプリを使用する等配慮して対話する仕組みです。耳鼻咽喉科・頭頚部外科の医師や事務部門をはじめ関連する全部署の協力のもと作りました。

全部署のため、まとめるのに時間がかかり、取り掛かってから実際に仕組みが動き出すまでに3年越しとなりました。このように患者総合相談部では、関連部署の協力を得ながら患者さんの声を病院運営の改善に生かしています。
他にも車いすや目の不自由な患者さんを次の検査や診察室まで案内する仕組みも作りました。「車いすを押してください」と頼んだら断られたというご意見が複数寄せられたことが理由です。職員からは「そのようにサポートしている時間 はない。とても忙しいのだから」と当初は賛成されませんでしたが、最小限の負担で協力し合ってサポートしようと検討したところ、全部を案内するのではなく次の目的地までご案内するというリレー式のサポートができあがり、以降は断られたという患者さんからのご意見は全くなくなりました。患者さんに安心して治療を受けていただくためには患者さんとの信頼関係の構築が重要と考えています。
患者さんの声を聞き改善につなげると同時に、病院からも患者さんに必要な情報を発信し、双方向のコミュニケーションを充実させることで、より信頼される病院となることを目指していきたいと考えています。
大学病院患者総合相談部 月岡澄子
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