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【新 慶應義塾豆百科】
FutureLearn

2025/04/30

FutureLearn「日本の近代化: 福澤諭吉の格闘」コース イメージ

貴重な和本から最先端の量子コンピュータ、そして日本のサブカルチャーまで。慶應義塾大学の持つ幅広い「知」をオンライン上で気軽に学ぶことができるのがFutureLearnである。

FutureLearnは英国発のグローバルオンライン学習プラットフォームで、現在、200以上の大学・組織から1700以上の学習コースが提供されている。これらのコースは一部の機能を除き原則無料で学習することができるのがFutureLearnの特徴の1つだ。

慶應義塾大学は2016年に最初のコース「古書から読み解く日本の文化(1)和本の世界」の提供を開始し、2025年3月現在までに13のコースを提供しており、208の国と地域の10万人以上の学習者に登録されている。これらのコースでは慶應義塾大学の様々な学部・研究科、研究所の教員が講師を務め、義塾の保有する貴重な文化財や最先端の研究を題材に、慶應義塾ならではの学習体験を世界中の学習者に提供している。

オンライン学習と耳にすると講師が講義をしているビデオが延々と続く光景をつい想像する人も多いと思われるが、FutureLearnの学びはそれらとは一線を画している。FutureLearnの学習コースは「ステップ」と呼ばれる、5分から10分程度で学習を完了できるテキスト資料やビデオで区切られている。そのため通勤中や就寝前といった、ちょっとした空き時間を活用した学習が可能となっている。また、オンライン環境ならではの、動くイラストやクイズ、学習者同士のコメントによるコミュニケーションなど、多様な学びの体験を味わうことができる。

コースの開発・運用業務はデジタルメディア・コンテンツ統合研究センター(DMC)が担当しており、大学院メディアデザイン研究科(KMD)やグローバルリサーチインスティテュート(KGRI)、慶應義塾大学出版会などとの協働チームで日々新規コースの開発や既存コースの改善を実施している。これらの活動はオンライン学習デザインの研究・実践として研究成果に繋がるだけでなく、慶應義塾の海外へのプロモーションの一環としての役割を担うことが期待されている。

今後も引き続き新規コースのオープンを予定しており、今春には村井純特別特区特任教授を講師に迎えたインターネットガバナンスに関するコースが公開される予定である。また、慶應義塾の塾生・教職員は期間無制限のアクセス、修了証の発行といったFutureLearnの有料機能の一部を無料で利用することができる。ぜひこの機会に一度FutureLearnでの学びをお楽しみいただきたい。

(KGRI特任助教 有馬俊)

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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