【新 慶應義塾豆百科】
三田インフォメーションプラザ
2025/03/31

2017年6月1日、三田インフォメーションプラザが開設された。かつてガソリンスタンドがあった三田キャンパス正門西隣に設けられたこの施設は、訪問者への情報提供やサービスを目的として設計されている。社会・地域連携室、入学センター、広報室、管財部の四部門が連携し、運営は株式会社トラストと共同で行っている。大学案内や公式グッズ販売などの機能を備え、キャンパスの「顔」として重要な役割を果たしている。
施設の利用者は年々増加しており、2021年度には約1万5千名、2022年度には約2万7千名、2023年度には約5万4千名に達した。特に2023年8月のオープンキャンパスの月には、1カ月間で約2万5千名が訪れるなど、大きな賑わいを見せた。この数字は、動線上の関係で場所がややわかりにくい三田インフォメーションプラザが、現在では重要な情報発信拠点として認識されていることを示している。
外国人訪問者の増加も注目すべき点だ。2022年11月から2023年10月までに約280名だった外国人来訪者は、翌年同期間には約800名に増加した。COVID-19の収束が背景にあり、スタッフは多言語対応を強化している。翻訳機や定型文資料を駆使し、訪問者一人ひとりに丁寧に対応する姿が見られる。文化や言語の壁を超えた交流が生まれ、案内の場が新たな発見や感動の瞬間に変わることもある。
1階スペースの大半は、土日も利用できる慶應義塾公式グッズショップが占めている。大学ロゴ入りの食品、テーブルウェア、オルゴールなどの限定アイテムが並び、訪問者にとってキャンパスでの思い出を形にする特別な品々となっている。『三田評論』も扱っている他、慶應義塾関係の書籍も揃えている。ショップを訪れる中でスタッフと話し込み、大学やキャンパスへの興味を深める来訪者も少なくなく、大学の魅力を体感できる空間として機能している。
建物自体にも特筆すべき点がある。ガラス張りの外観は、背後に位置する演説館や稲荷山の緑と調和し、透明感と開放感を演出している。自然光を取り込むデザインは、訪れる人々に温かさと親しみやすさを感じさせるだけでなく、三田キャンパスの景観美を引き立てている。建物の仕上げにも工夫が凝らされており、隣接する南校舎と調和するよう同系色の外壁タイルを使用している。また、包括連携協定を締結している宮城県南三陸町の間伐材を内装の一部に使用し、地域連携を感じるアクセントとなっている。
三田インフォメーションプラザ2階で執務している協生環境推進室とも相俟って、連携と協力を通じて社会・地域の持続可能な発展に貢献すべく邁進している。
(社会・地域連携室 河野雅昭)
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