三田評論ONLINE

【新 慶應義塾豆百科】
タウンキャンパス

2024/03/29

新川﨑(K2)タウンキャンパス

慶應義塾には6つのメインキャンパス以外にいくつかのサテライトキャンパスがある。中でも、学部・大学院と密接に協力しながら、最先端の研究を実施し、産官学連携活動を通して地域の新産業創造や我が国の科学技術の向上を図るためにおかれているキャンパスを「タウンキャンパス」と称している。現在、新川崎、鶴岡、殿町の3つのタウンキャンパスがあり、2000年に設置された「慶應義塾大学先端研究教育連携スクエア」の活動拠点として、最先端の研究が行われている。

新川崎(K2)タウンキャンパス

1999年2月に、義塾と川崎市の間で協定が締結され、川崎市の「新川崎・創造のもり計画」の中核となる先端的研究拠点として、「K2(Kスクエア)タウンキャンパス」(K2は、慶應義塾と川崎市の2つのKによる相乗効果を意味する)を置くことが決定され、2000年7月に新川崎タウンキャンパスが誕生した。開設当初から、プラスチック光ファイバーや、電気自動車の研究が進められ、産業界からも大きな注目を集めた。その後も、ロボットの力触覚を遠隔地で感じることができるリアルハプティクス技術研究など、高度で実用的な研究が広く行われている。

鶴岡タウンキャンパス

1998年に山形県知事が義塾を訪問し、庄内地域「公設民営」型の4年制大学を設置する構想についての提携の話が持ち出された。サテライトキャンパスの可能性を探る義塾の意向と一致したことで、酒田市に新たな大学を設置し、鶴岡市に先端研究センターを設置する方向が決まった。99年3月には、山形県ならびに鶴岡市を含む14市町村との間で協定が締結され、地元からの歓迎ムードも高まる中、2001年4月に「鶴岡タウンキャンパス」が開設された。鶴岡タウンキャンパスには、先端生命科学研究所(IAB)がおかれ、このIABを中心とした、「鶴岡サイエンスパーク」が構築され、構造タンパク質の新繊維素材開発で注目を集めるスパイバー社などの多くのバイオベンチャー企業を輩出し続けている。

殿町タウンキャンパス

2016年4月に、新たなタウンキャンパスとして、川崎市殿町地区にある「殿町国際戦略拠点キングスカイフロント」に「殿町タウンキャンパス」を開設した。ここは、科学技術振興機構(JST)の「リサーチコンプレクス推進プログラム」の中核拠点として、産官学の様々な機関が一体となり、ウェルビーイングリサーチを実践してきた。さらに今後は、再生・細胞医療・遺伝子に関する研究の推進を行う計画が進んでおり、施設の改修が進められている。

(学術研究支援部長・金子康樹)

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
  • 1
カテゴリ
三田評論のコーナー

本誌を購入する

関連コンテンツ

最新記事