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【新 慶應義塾豆百科】
先導研究センター

2019/02/28

文部科学省が2001年6月に発表した「大学の構造改革の方針」をもとに、2002年度から研究拠点形成費等補助金事業としてはじまった「21世紀COEプログラム」と、その基本的な考え方をひきつぎながら、日本の大学院の教育研究機能をさらに強めることを目指して2007年度からはじまった「グローバルCOEプログラム」に、慶應義塾の多くの研究プロジェクトが採択・実施されたことで、慶應義塾の大型研究が飛躍的に展開することになりました。

21世紀COEプログラムからグローバルCOEプログラムへ移行する頃に、慶應義塾の中から、それらの実績をふまえて、さまざまな研究の領域を横断的に連結・融合させた新しい形の研究の拠点が必要ではないかという要望が出てきました。これに応えるため、2007年2月1日に、「先導研究センター(略称:「先導研」・英文名称: Keio Advanced Research Centers(KARC))」が設立されたのです。組織上は、塾長のリーダ ーシップのもとで、分野横断的総合研究を戦略的に展開する組織として置かれていた「総合研究推進機構」(2019年現在の「研究連携推進本部」の前身)の中の一センターとして位置づけられました。

先導研究センターの目的としては、学部・研究科横断的な全塾組織としての研究の拠点として設置・改廃・運用ができること、また、研究者の人事を機動的に行うことを可能にして、研究活動の活性化を迅速に支援することが示されました。また、その特徴としては、慶應義塾の先導的・戦略的な研究の拠点を作ることで、融合領域など従来の部門研究にとらわれない新領域の研究を目指すことや、ダイナミックな研究活動に対応すること、また研究が完了した時にスムーズな終了ができるようになっています。

目的を達成するために、実際に研究プロジェクトを行う「センター内センター」を先導研究センターの中に置くことができるようになっています。このセンター内センターは、一定規模の外部資金を研究費として拠点となるキャンパスを定めて活動し、それぞれが独立した研究センターとして機能することで、活発な研究活動による研究成果が生み出されること が期待されています。さらに、近い将来に、より本格的な研究センターとしての活動を行うことを目指して、外部資金の獲得ができていなくとも研究が進められる「スタートアップセンター」を先導研究センターの中に設置することも可能となっています。

先導研究センターを活用して、慶應義塾の研究がさらに活性化され、研究成果が生み出されることが期待されています。

塾監局学術研究支援部長 伏見知行

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

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