三田評論ONLINE

【新 慶應義塾豆百科】
グローバルラウンジ

2017/04/04

義塾が1881年に海外から2名の留学生を初めて受け入れてから130年以上が経ち、留学生数が約1,500名となった2015年10月。三田キャンパスに「グローバルラウンジ」が開設された。

中庭に面したこのスペースは、南校舎が2011年に建替え竣工した時から「国際交流スペース」として存在していたが、オープンスペースであったため、あまり有効活用されていなかった。これを、透明のパーティションで独立した空間に改修し、国際交流のための各種イベント等を開催できるようになった。

グローバルラウンジにはいくつかの役割がある。まずは、義塾の交換留学協定校の情報が閲覧できる資料室的な役割。各大学のパンフレットの他、先輩たちの留学報告書を読むこともできる。

次に、留学や、留学のための奨学金に関する小規模な説明会の開催、交換留学経験者が留学アドバイザーとして塾生の留学相談に応じるなどの、塾生の留学を促す場としての役割。協定校からの訪問者が説明会を行うこともある。

3つめがもっとも重要であるが、留学生と塾生が日常的に交流できるサロン的役割である。2014年秋学期から、国際センターでは塾生と留学生の交流のために「慶應ともだちプログラム」を開始した。これは海外の大学でも留学生支援としてよく行われているバディ・プログラムである。学期ごとに、塾生2名程度と留学生3名程度を1つのグループとし、両者が「ともだち」になることを主眼としている。このともだちプログラムの活動場所の1つがグローバルラウンジである。昼休みに「日本語で話そう」「英語で話そう」などのイベントを開催したり、時には福笑いやカルタなど日本の伝統的な遊びを体験することもある。

留学生支援団体の1つである国際センター塾生機構(通称KOSMIC)もグローバルラウンジを活動拠点に、ともだちプログラムのサポートや、留学生向けサークル相談会などを実施している。

日吉キャンパスには、2009年第4校舎独立館竣工時から「コミュニケーション・ラウンジ」が開設され、こちらでも多文化交流を促進するイベントが多数実施されている。毎年6月には大規模な留学フェアも開催され、近年は開催4日間で延べ2,000名を超える来場者がある。

義塾には現在、世界各国から多くの留学生が集うが、塾生との交流の機会は限られている。このグローバルラウンジを中心に、国際交流がより身近で日常的なものとなり、いずれは、特別な場所を設けなくとも、キャンパスのどこででも留学生と塾生が交流する、いわばキャンパスそのものがグローバルラウンジとなるような日が到来するかもしれない。

(学生部国際交流支援グループ課長 上田千尋)

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

  • 1
カテゴリ
三田評論のコーナー

本誌を購入する

関連コンテンツ

最新記事