【塾員クロスロード】
小野 俊法:世界No.1のPEファンドへ
2025/12/11
私は社会人としてのキャリアを不動産ファンドから始めました。小規模なチームの一員として1人で400億円のファンドを動かしていましたが、2007年、以前から考えていた海外での起業を決心し、バングラデシュで知人とセキュリティプリンティング会社を設立しました。
その後、日本に帰国することになり、自身で起業した会社を売却。それがきっかけでM&Aの業界に興味を持ち、企業成長の可能性を高める仕事に就きたいという思いから、PE(プライベート・エクイティ)ファンドの道に入ることに決めました。
Big4のFAS(Financial Advisory Services)にて、M&Aに係る種々のアドバイザリー業務を経験した後に、2010年にPEファンドのACAに入社。2019年にACAから派生した日本グロース・キャピタルの投資メンバーのフロントトップに就任。その2社でPEファンドによる小規模投資の基礎を構築し、国内ファンドでは実質的にトップと投資家の皆様から言われるリスク調整後のリターンを作ることに成功しました。
国内GDPの半分近くを占める中小企業のM&A市場は、事業承継等のニーズが増加し、仲介会社の数と共にうなぎ上りに成長しているにもかかわらず、ファンド業界では中小企業を対象とするファンドは業界の5%程度の資金しか運用されていないため、巨大なチャンスが眠っていると感じました。スモール・マイクロキャップの企業に特化しながらも将来は数千億のファンドを設立することに社会的価値があると考え、2021年にマラトンキャピタルパートナーズを設立し、独立しました。
また、中小企業のオーナーは後継者問題に悩まれていることが多く、後継者となり得る経営人材を自前でプールしておくことが他社との明確な差別化になると考え、日本プロ経営者協会を2019年に設立。現在約2000人の後継者候補者の経営人材がメンバーとして登録されており、より多くのプロ経営者が活躍するエコシステムを創出し、活力溢れる日本にすることを目指しています。
当社は現在AUMが450億円規模に成長しましたが、将来的には中小企業を対象としながらもAUMで5000億円規模の運用を行い、日本のGDPの半分を占める中小企業の生産性を上げ、日本経済の成長に寄与することを目標としています。
マラトンキャピタルパートナーズ株式会社(https://marathoncapital.co.jp/)
一般社団法人日本プロ経営者協会(https://www.proceo.jp/)
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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小野 俊法(おの としのり)
マラトンキャピタルパートナーズ株式会社代表取締役・2004経