【塾員クロスロード】
水戸 り〜な:日本の地方から世界へ挑戦
2025/01/28

私は19年間、ずっと北海道で生まれ育ちました。自然が豊かで食べ物も美味しく、素敵な両親にも恵まれて、のんびり幸せに育てられました。
しかしインターネットが今ほど普及していなかった当時の日本の地方は「視野を広げ世界に羽ばたく人材になる」チャンスが少ないと高校3年生の時に感じ、一浪して必死に勉強し慶應義塾大学に進学しました。
親元を離れコロナ禍を経験したことで「私の人生は私が舵を切り、悔いを残さず生きていきたい」と強く感じ、バイト代や奨学金を集め、パソコンでインターンをしたり大学の授業を受けたりしながら、世界中を旅しました。訪れた国は20カ国以上に及び、日本列島も、車で横断しました。
そんな旅路の最中、見知らぬ人が見返りを求めず、精一杯の思いやりや彼らの文化を私にお裾分けしてくれました。もう連絡先もわからないし、感謝の想いを伝えきれず歯痒い。でも、私の心の中に静かに燃えるような想いが残っています。
恩返しをしたい。
そんな想いで、高知県須崎市野見湾の元お寺の空き家を活用して「ノマド誘致事業」を始めました。ノマドというのは、パソコン1台でリモートワークをしながら世界中を旅する人たちです。彼らは、時間、場所の概念にとらわれず、インターネットを活用し、越境しながら挑戦を重ねています。そんな方々が、生成AIやアメリカの大学で開発されたデザインシンキングの勉強会などを開催して、高知県須崎市に貢献したいと新規プロジェクトを立ち上げています。現在は、中東やアメリカを中心に、海外で日本の文化を発信するイベントを開催しています。
日本の地方は、豊富な資源と温かい人々で溢れています。一方で、世界と繋がるチャンスが少なく最先端の情報が入りにくい。そのため、新しいことに挑戦しにくいことが次世代にとって惜しいところだと私は感じています。
日本と海外を繋げる事業を通して、日本の地方と都会の情報格差や機会格差をなくし、次世代が時間や場所の壁を超えて、夢に向かって挑戦を続けられる。そんな未来を実現するべく、「日本と世界を繋ぐマーケターになる」ことを目標に、これからも日本から世界へ挑戦していきます。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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水戸り〜な(梨乃)(みと り〜な)
合同会社Reena 代表・2022商