【塾員クロスロード】
山本 玲奈:日本を世界一の国にする
2024/07/17

長い海外生活を経て、私は憧れだった日本に帰国し、慶應義塾大学に入学しました。外から見た日本は素晴らしい国、と誇りを持っていましたが、帰国後に感じたのは、日本に対する悲観的な意見の多さでした。日本に希望を持てない人が増えているような気がして、とても辛かったことを覚えています。
それから悶々とした気持ちを抱えながら送っていた大学生活。その中で刑事訴訟法の授業で先生に「君たちは、何のために大学に通い、何のために法律を学ぶのか」と問われ、日本に帰国した意義、毎日過ごす大学生活の意義を深く考えさせられました。私は、大好きな日本を自分の手でよくしていきたいという思いと、法律を学んでいることを掛け合わせ、世界で日本に貢献する仕事ができる弁護士を志すようになりました。
ロースクールの受験勉強をしながら、社会をこう変えたい、という思いを形にしたい一心で、ビジネスコンテストにも出場するようになりました。ビジネスコンテストをきっかけに起業をするのか、弁護士を目指すのか。迷いましたが、「日本をよくしていく当事者でありたい」という気持ちは変わらず、大学の先輩たちの応援もあり、起業に踏み切りました。
しかし、夢を持って始めた会社も、早々にうまくいったわけではありません。最初に始めた弁護士のアルバイトサイトはうまくいかず、試行錯誤の末に今の士業・管理部門に特化した転職サイト「ヒュープロ」が生まれました。「これならうまくいく」と確信を持ち、仲間を集めました。
必死の思いで考えた事業、集めた仲間。全身に込み上げる自信。しかし、学生起業の私には、マネジメントの経験がなく、仲間は離れていきました。資金も底をつき、絶望的な気持ちになりました。
その時、私と会社を救ってくれたのは顧問の税理士と弁護士でした。この経験を通じて、士業が日本中の中小企業を救う存在であることを実感し、このサービスを日本中に広めたいという思いが一層込み上げました。そこから、投資家の手助けもあり、何とか会社を再建し、大きなV字回復を遂げました。今となっては、会計業界最大級の求人サイトに成長することができました。
辛かった日々が、私を強くしてくれました。挑戦というのは、どんな時も、良いものです。
株式会社ヒュープロ
https://hupro-job.com/
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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山本 玲奈(やまもと れいな)
株式会社ヒュープロ代表取締役・2016法