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【塾員クロスロード】
瓜生 靖治:新たなスポーツビジネスでのやりがいを見つけるまで

2024/06/20

  • 瓜生 靖治(うりゅう やすはる)

    朝日放送テレビ株式会社スポーツプロデュース部課長・2002環

私は2022年7月に朝日放送テレビ株式会社に転職し、「部活ピーポー全力応援!ブカピ!」のプロデューサーを務めています。4歳からラグビーを始め31歳で現役を終えるまで、日々情熱を注いできたスポーツにどのような貢献ができるか考えた時、現役選手でなくなってしまった自分がワクワクできると思えたのはスポーツマネジメントの世界でした。

当時そんな感覚で立ち回る選手は多くなく、自分自身何をすれば将来につながるか模索する日々が続きましたが、色々な分野の方々のお話を聞くことで、改めてスポーツには沢山の可能性があると再認識できました。そして次に情熱を捧げることができる場所はスポーツマネジメントの世界だと勝手に思い込み飛び込んだことが、朝日放送テレビに転職することにもつながりました。

転職のきっかけになった「バーチャル高校野球」は昨年、全国の球児達の夢を追う姿を夏の甲子園地方予選1回戦から全国大会決勝戦に至るまで全ての試合を生配信しました。これからの将来を担う子供達を支援できるこの仕組みを、野球界だけに留まらずそれ以外の競技にまで広げていくことが私の使命だと思い、日々「ブカピ!」という番組を通して高校生たちの頑張る姿に向き合っています。

体育会蹴球部創部100周年で全国大学選手権優勝を経験した年から25年が経ちますが、あの頃の情熱とスポーツにかける想いは今、次世代の育成というベクトルに変わり、ラグビーに限らず様々な競技でのダイヤの原石発掘が子供達の成長や社会の中でのスポーツの在り方を日々考えている状態へとつながっています。

コミュニケーションの形が大きく変化していく社会の中でスポーツというリアルなコミュニケーションの場の必要性は、これからさらに必要不可欠な存在になると信じ、新たなスポーツビジネスの在り方を模索する日々は本当に刺激に満ちています。メディアという業種にもかかわらず、スポーツビジネスという関係のない分野に挑戦させてくれる朝日放送テレビという社風にも感謝をしています。今後野球だけでなく全てのアマチュアスポーツにおいてバーチャル高校野球のような支援ができるように、私個人としてもスポーツビジネスをさらに勉強しアンテナを張り巡らせていきたいと思います。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

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