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【塾員クロスロード】
浜路 まや:25歳で決意したカフェ開業

2024/05/21

  • 浜路 まや(はまじ まや)

    カフェLapinオーナー・2021経

私は現在、東京都国立市でベトナムのサンドウィッチ「バインミー」をウリにしたカフェを経営しております。「心と体にちょっとした癒しを」をテーマに、2023年9月にOPENした当店は、地域の皆様はもちろん、当店オリジナルの「和風バインミー」を求めて遠方からもお客様がいらっしゃるようになりました。日々温かいお客様と頼もしいスタッフに囲まれて、自分の夢を実現し続ける日々を送っています。

2021年に経済学部を卒業した私は、新卒で外資のコンサルティング会社に就職しました。「誰かの夢の実現の土台になりたい」その一心で働いておりましたが、周りについていけない自分の無力さに挫けそうになることも多々ありました。結果、体調不良から2年目の夏に休職。これから何をしようかと考えていた時、本屋で出会った1冊の本に衝撃を受けました。

『我慢して生きるほど人生は長くない』。内科医・心療内科医の鈴木裕介氏の著書です。

もともと、「自分はこうであらねばならない」という思いが強かった私は、自分の本当にやりたいことから目を背けがちな人生を送ってきました。それなりに好きなことには打ち込むけれど、自分の生活や人生をかけて何かを成し遂げようとした経験がなかった。いってみれば器用に生きようとしてきました。

「我慢して生きるほど人生は長くないのだったら、今、好きなことをしよう!」。そう思った私は、老後の夢だったカフェ開業を決意しました。「いつかやりたい」とは思っていたけれど、「いつか」が本当に来るかもわからない。今こそ、老後の夢を先倒しにして人生をかけて夢を実現させようと思いました。

飲食店経験は学生時代のアルバイトのみだった私。周りのたくさんの方のご協力を賜りながら、4カ月の準備期間でお店をOPENいたしました。現在は体にたっぷりの栄養を与えられるバインミーをメインにしつつ、「心の栄養補給」をコンセプトに朗読や弾き語りのライブなどを開催しています。「誰かの夢を応援する土台になりたい」という思いは会社員時代から変わっておらず、多くのアーティストたちが輝ける舞台を提供しようと工夫しています。

我慢せずに自分の人生の物語を生きる。私の選択が、誰かの夢の後押しになれば幸いです。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

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