【塾員クロスロード】
吉林千景:スペイン・マラガで思い描く、日本への架け橋
2023/11/20

現在、私はスペイン女子フットサル1部リーグの「Nueces de Ronda Atlético Torcal」というチームでプロ選手として活動しています。
10年前、当時在籍していた総合政策学部を休学し、スペイン1部リーグのチームに移籍したことをきっかけに、その後も日本とスペインを行き来しながらフットサルに打ち込んできました。また、これまでおよそ10年間、日本代表として数々の国際大会に出場させていただきました。
世界で様々な経験をさせていただいた中でも、特に価値を感じるのは、海外生活で自身がマイノリティになる経験をしていることです。日本では遭遇することのない状況や苦難に日々遭遇し、そこに立ち向かっていくことは、時に困難も伴いますが、私にとってかけがえのない経験となっています。自分自身が何者なのか、何をしたいのか、誰にどのように理解して欲しいのか、基本的なことではありますが、日々そんな基本的なコミュニケーションを大切にする習慣が身についてきました。
そして、この10年間の海外生活を通じて、日本と世界の距離やコミュニケーションにおけるハードルというものも自らの身をもって感じてきました。スペインといえば、まだまだマドリードやバルセロナが有名で、近年は美食の地として、サンセバスチャンも人気の観光地となりました。ただ、私が住む南スペインは、コスタデルソルと呼ばれ、ヨーロッパの中でも非常に天気の良いエリアで、観光地としても人気のエリアです。まだまだ日本での認知度は高くありませんが、素敵な海、温かい人々は日本人との相性が抜群です。
さらに、この地中海沿いのマラガやマルベージャという地域は、日本人や日本企業にとって、大きなチャンスがある場所だと感じています。特に、マルベージャはマイアミ、ドバイ等ともつながりが強い地域であり、様々なビジネスが生まれている場所です。世界の大きな企業も徐々に進出を始めている地域で、日本や日本企業に興味を持っている人も多く存在する魅力的な地域となっています。
まだ現役選手としてスペインリーグでプレーしていますが、今後はここスペイン、ヨーロッパから日本の新たな可能性を切り拓く存在になれるよう、微力ながらも活動して参りたいと思います。
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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吉林 千景(きちばやし ちかげ)
スペイン女子フットサル1部リーグプロ選手・2017総