【塾員クロスロード】
浜田真帆:江の島で、世界を耕す
2023/02/13

一生懸命戦う人がみせる、真剣な眼差しはとても素敵だ。
自分の為になら心が折れてしまっていたかもしれない場面でも、誰かの為にならあと一歩足を踏み出すことができる。それを教えてくれたのは、サッカーだ。
私は今、株式会社ENOSHIMAFCの代表取締役として、地域サッカークラブ「江の島FC」を運営している。江の島FCは、若者が夢を諦める4つの外的要因(仲間、空間、知見、資金の不足)を総合的に支援するプラットフォームを整備するべく2020年に新設した地域クラブだ。Jリーグ、なでしこリーグ加盟を目指して活動をしている。Z世代らしくジェンダーニュートラルな愛称を持つ「WAVES」(男子チーム)、「SEAS」(女子チーム)、2つのトップチームがある。
私は人生の半分以上をサッカーと過ごしてきた。慶應義塾のソッカー部に入部したいと志した時も、入部後も、沢山の選手に活力をもらった。そのような選手たちを支えたい。ファンとしてサッカーを好きになった17年前のその日から、サッカーとの関わり方をこれでもかと模索した。「サッカーしかやってきていないから苦労するのではなく、サッカーをやってきたからこそ道が拓ける。そんな世界を作りたい」。これが今、私がサッカーに携わる理由だ。
2021年に江の島FCに加入してからは、プレーヤーでない私が、「組織にどう貢献するか」を考え、選手のキャリア支援や営業、広報等に注力した。その姿勢が認められ、翌年に代表取締役就任を打診された。地元湘南で、大好きなサッカーを用いて、社会課題を解決できる。やったもの勝ちの精神で即決した。
江の島FCが目指すのは、「世界一泣けるサッカークラブ」。
社会人サッカーチームが5,500チームあると言われる日本において、ただカテゴリーを上げるだけでは、新設チームの存在意義を果たせない。私たちは、多様な関係者の持つ想いや熱量にこだわり、サッカーチームとして、換金できないストーリーを磨いていく。サーフィンや音楽、農業など多彩な魅力を持つ江の島で、人々の結び目となり、江の島FCと共に歩む全ての挑戦を後押しできるクラブを目指していく。
描かなくなったこどもへ、描けなくなったおとなへ。私たちと一緒に世界を耕しませんか?
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。
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浜田 真帆(はまだ まほ)
株式会社ENOSHIMAFC代表取締役・2019総