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園田 賢:Mリーグ「見(み)る雀(じゃん)」のススメ

2020/05/24

  • 園田 賢(そのだ けん)

    Mリーガー・2005環

『レジャー白書 2019』によると麻雀の参加人口は580万人。日本の約22人に1人が楽しんでいます。麻雀が多くの方に愛されているゲームであることは間違いない……けど麻雀に暗いイメージ(薄暗いタバコ臭い部屋でやってる等)を持っている方も少なくないと思います。

実は麻雀のイメージはここ数年で大きく変わってきています。麻雀というゲーム自体はとても健全で知的で楽しいものなので当然といえば当然ですが。麻雀教室はおばあちゃん達の社交場となり、雀荘では若い女性が働くようになり、アイドルが麻雀をやる番組が放送されるようになりました。女性のことばかりですが、女性への浸透こそが良いイメージへの変化のバロメータなのです。

一番大きな変革と言えばサイバーエージェントの藤田晋社長の尽力により2018年にできた「Mリーグ」でしょう。チーム制の麻雀プロリーグで、大企業がスポンサードすることにより選手が「麻雀を打つことで食べていける」ようになったのです。幸いなことに僕も初年度のドラフトで博報堂のチーム「赤坂ドリブンズ」に指名していただきました。

このMリーグはAbemaTVで放送され多くの人を魅了しています。時にはプロ野球より視聴数が多いこともあります。なぜこんなに熱狂を生んでいるのでしょうか。それは麻雀が理不尽なゲームだからだと思います。完璧な手順を踏んでも悲しい結果になることもあるし、逆に完全にポカをしても嬉しい結果になることもある。囲碁や将棋や他のスポーツではこうはいきません。多少の運の要素はあれ、基本的には強い方が勝ちます。麻雀は一生懸命やっても報われるかどうかわからないけど一生懸命やる。そして様々な結果が出る。それが筋書きのないドラマを生み、熱狂を生むのでしょう。

Mリーグでは勝利者インタビューやチームメイトが応援する控室など対局以外も放送されます。それらもドラマ性をなお加速させているのでしょう。実際に麻雀を知らない視聴者も増えているそうです。

麻雀を打たれる方の中には「自分で打ってこそ楽しい」と思う方もいるかもしれませんが、騙されたと思って是非AbemaTVをご覧ください。どこかのチームや選手に感情移入するとなお良しです。「見る雀」の面白さにハマること請け合いです!

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

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