三田評論ONLINE

【塾員クロスロード】
小山卓也:すべての人を投資家に

2019/08/23

  • 小山 卓也(こやま たくや)

    TORANOTEC 投信投資顧問・代表取締役社長・1979経

2016年3月で60歳を迎え、人生を振り返ると、卒業後社会人として金融業界に身を投じ、海外で通算3分の1、日本で3分の2を過ごした形になります。ロサンゼルスオリンピックはLA留学中、湾岸戦争勃発の際にはロンドンのシティーに身を置き、ユーロ発足時にはフランクフルトで社長業まで経験いたしました。2000年に帰国して、外資系運用業界で経験を積み上げ、60歳を迎える直前で、当時お世話になっていた運用会社の社長より、「どうせお前のことだから何かやりたいことがあるなら、60歳を契機に解放するよ」と言われ、 人生の締めくくりとして、新たなチャレンジをしたいと思ったのです。

その頃「フィンテック」が既存のビジネスに代わって新潮流になると思い、その分野で自分が貢献出来ることはないかと探し始めていたところでした。若い時からちゃんと資産形成していれば、老後資金の枯渇リスクを回避し、人生100年時代を乗り切れる。資産を持たない時からでも、コツコツ投資が出来る仕組みはないかと考えていた頃、「おつりで投資」が米国で日本に先立つこと2年で大きなビジネスとして成長していることを知りました。同じビジネスモデルを日本に持ち込むには、余りにも色々な障壁が存在していて、非常に困難な状況でしたが、幸運にも経験豊かな友人達と巡り合い、3年前にTORANOTEC 社の設立に漕ぎ着けることが出来ました。

資産形成アプリ「トラノコ」をダウンロードしてもらえれば、月額300円でご登録いただいたお買い物データ(クレジットカード、電子マネーなど)のおつりを補足し、5円以上1円単位で投資信託に投資することが可能になります。1月分貯めたおつり相当分を銀行口座から引き落とす形で、国際分散投資したポートフォリオに自動的に投資が出来る仕組みです。現状ではミレニアル世代中心に利用者は拡大していますが、若年層だけでなく、50代半ばからスタートしても、70歳位まで仕事が出来る環境が整ってきた現状では、シニア世代も第2年金のような感覚で、資産を積み上げて行くことも可能です。複利効果でコツコツ貯めることの重要性が実感出来ると思っています。TORANOTEC 社は、「すべての人を投資家に」をスローガンとして、幅広い方々に投資を始めて頂ければと切に願っています。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。

  • 1
カテゴリ
三田評論のコーナー

本誌を購入する

関連コンテンツ

最新記事